キュレーション問題について、編集部にいる僕が思うこれからのWebライティング

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新しくブログを再スタートさせたことで、週に1回くらいはキーワードなどを意識しないで記事を書いてみようと思い立ったのです。そう「キーワード」です。

今回のキュレーションメディアの問題はこの「キーワード」を使って大量に記事を作ることで、Google検索結果の上位表示を可能にしていました。

まだまだGoogleも不完全だと思うのと同時に、パソコンやスマホの画面の向こう側には自分と同じユーザがいるのだと、改めて認識させられる一件となりました。

 

キュレーションメディア問題の振り返り

すでに報道されているように、DeNAが運営するキュレーションメディア「WELQ」など全10サイトが非公開になりました。ことの発端は、「WELQ」に信憑性の低い内容の記事が投稿されているというものです。

騒動のきっかけは、医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」上で医学的に信憑性が疑わしい内容の記事が存在し、しかもそれらの記事がグーグル検索結果の中で上位に位置することが指摘され、ネットで「炎上」したことだ。実際、記事は専門家による監修などのクオリティチェックがないまま公開されていた。WELQは11月29日、ほかのメディアに先立ち非公開化の措置がとられた。

DeNA、「3時間謝罪」でも解明しない詳細経緯

今回の件について、DeNAは3時間にもおよぶ記者会見を開きました。

 

今回の問題について、どの記事がどういう内容だったとか、企業の質が問われるというのは、すでに多くの場所で語られているので、ここでは言及しません。

純粋に1記事に文字数を突っ込んで適当なSEOをすることで、上位表示できるのはスゴいなと思いました。

 

大量に作られる「記事」の品質について

僕は現在、仕事のひとつとして、都内の編集部(特に許可を得ているわけではないので、一応名前は伏せておきます)で、Webライティングのディレクションを担当しています。

そこでは、仕事の依頼者(いわゆるクライアント)から発注があった記事を、ライターさんたちに振り分けたりします。案件によっては、「どんな記事を書くのか」といった内容を決めることもあります。

結果を先に書くと、記事を書いているのは、「ごく普通の人」です。

特に何か特別な資格を持っていたりスキルがあるわけではありません。語弊があるといけないので補足しておくと、ライターさんがまったくスキルを持っていないわけではありません。人それぞれ得意分野はあります。

ただ、ちょっとインターネットを調べた検索結果を参考にしながら記事を書く(ライティングする)といったことは少なくありません。どちらかというとこの方法がメインであるのが現状です。

これまでインターネットで得た知識や人から聞いた話を基に、実体験が一切なくても「自分は知っている」前提で記事を書ことがまかり通っています

 

「キーワードライティング」ブームは収束する?

昨今は「キーワードライティング」と呼ばれるものが流行っています。キーワードライティングとは、その記事のキーワードになるもの(例:就活 既卒 方法)をあらかじめ設定し、ユーザがキーワードを検索したときにその悩みを解決する記事(コンテンツ)を書くというものです。

しかし、どのキーワードがどれだけ月に検索されているかは誰もが分かるため(Googleなどが提供しているツールを使う)、これらの手法は、すでにレッドオーシャンになっている感が否めません。

1記事あたり1文字1円前後で800文字ほどだったものが、最近では1記事2,000文字、3,000文字と文字数がインフレを起こしています。今回のWELQでも1記事8,000文字という長い文章で上位表示をさせていました。

まず、WELQの運営元であるDeNAは、データ分析により検索エンジンで上位を狙える記事のテーマ・構成を決める。

次に、クラウドソーシングサービスで見つけた外部ライターに、WELQ編集部が配布するマニュアル通りに執筆するよう求める。外部ライターの採用は、主に「クラウドワークス」「ランサーズ」「シュフティ」といったクラウドソーシングのサービスを利用している。

記事の編集、公開作業はDeNAが担う。大量の外部ライターを抱えることで、記事の量産化を可能にしている。

DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言

ただし、文字数が多くなれば、企業にとっても記事単価が上昇してしまうため、1文字あたりの単価が0.5円と極端に安く設定されていました(厳密にはランクごとに設定されていたようです)。

僕はこの「キーワード」を元に記事を書いていくというブームは、今後収束するのかなと思っています。

本当に「文章を書く」ことを生業としている人は、この単価で記事を書くことはありませんし、低単価でも記事を書きたいと思う人が書く記事の品質は、必然的に低くなります。

結果、今回の件のように「信憑性に欠ける」記事が大量に出回ることになりました。これらはたまたま露呈しただけで、インターネットを見れば氷山の一角であることが分かります。

 

今後は一次情報が有力になる

あくまで持論ですが、今後は一次情報が有力になると思っています。

これまで「キーワード」を基に、インターネットで情報を探しながら記事を書く、いわゆる二次情報はどんどん価値が下がるはずです(供給量が増えて需給のバランスが崩れるため)。

一方、時間とお金を使った取材などの一次情報は、そこにしかない情報なので、相対的に価値が上がるのではないかと思っています。

たとえば世界で活躍する人が、世界で見聞きした情報を日本のユーザにメルマガとして配信している人もいます。反対に日本の情報を、自分の視点で海外に発信する人も増えてきそうです。

また、ここまで規模が大きくなくても、身近なところではちょっとした商品のレビューなども(商品がメジャーなら希少価値はありませんが)、あまり見ないものなら独自の価値が生まれます。

僕は今後はこのようなものが主流になる(Googleなどの検索エンジンが価値があると認める=検索結果に上位表示される)のではないかと考えています。

いちサイトを運営するひとりとして、常に意識しておきたいところです。