ちきりん『「Chikirinの日記」の育て方』長年のブログ運営から伝える本質

「Chikirinの日記」の育て方

2005年3月に始まった社会派ブログ「Chikirinの日記」の管理人・ちきりんさんによる初の著作『「Chikirinの日記」の育て方』は、小手先のブログ運営論ではない、ブログの本質を捉えたものといえます。

”ちきりん”という変わった名前(『ダービースタリオン』という競走馬育成ゲームの馬の名前に由来)で、詳しい経歴も明かさず、取材時の写真撮影も”お面”をかぶるという、徹底したプロフィール非公開も興味深いところです。

インターネット上では「ちきりんの正体」を探っているところもありますが、それは少し趣旨がズレるので、当サイトでは触れることはしません。

ここではブログサイトを運営するひとりとして、『「Chikirinの日記」の育て方』を見ていきたいと思います。

 

Chikirinの日記

「Chikirinの日記」は、ちきりんさんが大学生の頃に書き始めた「日記」の延長として、2005年3月に「はてなダイアリー」で公開されるようになりました。最初は「自分がその日に考えたことを記録していた」ため、誰かを意識したものではないと語っています。

もっとも現在も「考えたことを書いている」ことには違いありません。ただ、ブログの規模が大きくなっているため、読者のことは意識しています。

「はじめまして! よろしくお願いします!」と書く人は、最初から読者の存在を意識しています。けれど自分しか読まない日記を何十年も書いてきた私には、読者に向けて挨拶をするというおと自体、思いつきませんでした。

僕も挨拶を書いていました…(苦笑)

同様に、「ランキングに参加しています」「ポチッと押して応援してください」といったボタンを設置することも違和感がありました。日記にランキングなど不要だし、誰かに応援してもらう必要もないと考えていたからです。

これは僕も同じ意見です。どうしてもランキングには抵抗があるのです…。

 

ちきんりんさんがブレイクした”はてブ”

2005年に「はてなダイアリー」でブログを書き始めたちきりんさんは、2008年に突然ブレイクすることになります。「突然」といっても、3年間かかっているわけですし、それまでに蓄積してきたものは大きなものがあるはずです。

とあるエントリが注目された(はてなブックマークがたくさんついた)ことをきっかけに(いわゆる”炎上”です)、有名ブロガー、ヤフーなどのサイトからもリンクが貼られるようになったとあります。

ここで、ちきりんさんが”はてな”でブレイクしたからといって、”はてな”を使っても同じうようにはなりません。これこそが「本質」です。

今から他の人が「ちきりんが”はてな”で人気化したから、自分も”はてな”で書こう」と思っても、もはや同じことは起こらないでしょう。今ならGunosy(グノシー)に選んでもらえるような文章を書くことが重要なのだろうし、来年にはまた異なる口コミサービスが力を持っているかもしれません。

大切なのは「本質」であり、同じ手法を使うことではありません。ここでの「本質」とは、良質のコンテンツを継続して執筆することだと感じました。3年間地道に記事を更新するってすごい力です!

 

書籍出版の意義

ちきりんさんは有名ブロガーではありますが、一般的な知名度(テレビを多く見ている人)からしたら、まだまだ知名度が高いとは言えません。そこに書籍出版の意義があるといいます。

私は読者がめちゃくちゃ多いブログを目指しているわけではなく、特定の共通点のある読者が集まる場所を作りたいと考えています。そういう人と「紙の本をよく読む人」の重なりが非常に大きいと考えているので、けっこうな手間がかかる書籍出版を続けているのです。

書籍の効果を上手に使うことは、ホリエモンとの対談でも言及していました。

私なんてそれ(紙の本の権威)を最大限、利用してますから(笑)。特に「ちきりん」ってあまりにふざけた名前でしょ。だからクレジット・エンハンスメント(Credit Enhancement)が必要なんです。そうして初めて、「言えばわかる人」にまで伝えられる。

[ちきりん×堀江貴文 対談](前編) 伝わらない悔しさを乗り越えて

前回の高城剛さんのときもそうですが、ホリエモンは対談相手が面白いですね。

 

「自分メディア」はこう作る!

今回ご紹介した『「Chikirinの日記」の育て方』は、KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)から2013年11月に発売された自己出版による電子書籍です。

その後、2014年11月に文藝春秋から発売された『「自分メディア」はこう作る!』の前半部分に(ほぼ)同じ内容(多少編集はされています)が収録されています。後半はブログの人気エントリ(炎上したものもあり)が掲載されています。僕は人気エントリを読みたかったので、両方とも読みました。

長年ブログを運営してきたちきりんさんによるブログの本質に触れてみましょう。もちろん、「広告はここに貼ろう」なんて言葉はないのでご安心ください。