藤田晋『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』地に足の着いたビジネス指南書

藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー

「日経ビジネス Associe(アソシエ)」で連載中の藤田晋さんのコラム「渋谷ではたらく社長のキャリアアップ塾」(現・「藤田晋の成長論」)を書籍化した『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』。

「渋谷ではたらく」がアイコンだった時代が懐かしいですよね。今でこそ「サイバーエージェントの社長」として知られる藤田晋さんも、かの時代は「渋谷ではたらく社長」として、『渋谷ではたらく社長の告白』という著書もありました。はては「奥菜恵さんの旦那さん」という立ち位置だった時代もありました。

知名度は仕方ありませんし、悪いことではないと思います。『渋谷ではたらく社長の告白』が発売されてから(2000年発売)11年後の今となっては、その功績は誰もが認めるところです。

自分の成長過程を振り返り、そして経営者として数多くの優秀な若手社員を見てきて分かったのは、伸びる人にはいくつかの共通項があるということです。一方で、成長を妨げる思考や仕事のやり方も見えてきました。

興味深い藤田晋さんが語る「伸びる人の共通項」を見ていきましょう。

 

『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』

本書は全7章で構成されています。

  1. 職場に不満がある人に
  2. 成長速度を上げたい人に
  3. 円滑な意思疎通のために
  4. 初めて上司になる人に
  5. 自ら考えを実現するために
  6. 今すぐ結果を出すために
  7. オフも成長するために

気になる章タイトルがいくつもあるのではないでしょうか。

ちなみに、本書は、僕がずっと前に読んだものを、ブログ記事にするにあたり再読しました。

僕自身は就職という形をとっていないので、若干視点が偏るところもありますが、個人的に気になるところを見ていきたいと思います。

 

忙しい時ほど平常心とマイペース

第1章「職場に不満がある人に」からの引用です。

私が心がけているのは、多忙な時ほど平常心とマイペースを保ち、自分の成長分とキャパシティーを計算して、その範疇で優先すべきものを決めるということです。

「忙しいアピール」をするのは論外ですが(笑)、多忙なときも平常心でいることは大切です。

ただ、「一番大切な目標」を忘れないようにすることも大切だとあります。ちなみに藤田社長は、忘れないために「ブログ」を活用しているそうです。文章にして出力すると客観視できるようになります。僕も週に一度はコラムのように書き綴りたいと思います。

 

目標は1つに絞り込もう

第2章「成長速度を上げたい人に」は、とても多くの有意義な内容が書かれています。「効率よりも場数が能力を決める」「できる人より志の高い人とつき合おう」「カリスマより普通の方がいい」などなど、タイトルを読んでも気になるものばかりです(笑)

ここでは「目標は1つに絞り込もう」を選んでみました。

どんな目標でもそれに向かって集中し、全力投球できるかどうかが結果を大きく左右するのは言うまでもありません。逆から考えれば、達成に向けて集中できるような目標設定の仕方を工夫することが大事だとも言えます。

私の場合、この工夫に相当するのが、目標はあくまで1つだけにするということです。

当然ですが、1つのことに全エネルギーを集中させる人と、複数のことにエネルギーを分散させるのでは、総エネルギー量が同じだと仮定すると、1つのことにエネルギーを集中させる方が得策です。

藤田晋さんは「21世紀を代表する会社を創る」ことを目標に掲げたとありました。少なくとも、2016年現在、サイバーエージェントは日本を代表する会社になっていると思います。

 

モノマネはダサいが成功の早道

第5章「自ら考えを実現するために」では、事業を行う上で知っておきたいことが多く書かれています。

新しい事業に挑む時は、十中八、九の確率で成功している事例のモノマネから入るのが正しい解と言えます。最大の利点は、先行者たちが費やした時間や労力を大幅にカットできること。事業の基盤を整える時間を短縮できます。発展途上の市場であれば、2匹目、3匹目のどじょうも狙えます。モノマネの言葉の響きこそ良くありませんが、ビジネスチャンスをモノにするにはとても有効な手段です。良い事例は、見習うべき見本としてマネしましょう。

「マネ」をすることが「成功の早道」という論です。「革新的なことをやりたい」のはみんな同じですが、それほど上手くいかないのもまた事実だったりします。

ちなみに僕がいる編集部は、人材の仕事をしながら新たに「編集部」を立ち上げました。事業としてはクラウドソーシングの仲介にあたるので、けっして目新しいものではありません(クラウドソーシングはクラウドワークスとランサーズが先行者)。

それでも発展途上ということもあり、(今のところは)上手くいっているように見えます。最近はキュレーションメディアの問題もあり、これまでの基盤が大きく変わりそうです。

 

超集中モードで仕事をするコツ

第6章「今すぐ結果を出すために」は、仕事をしている人なら誰もが興味深いものだと思います。「「到底無理」な目標が成長を促す」「期限を設定すれば努力は楽になる」「情報共有の仕組み作りができる人は真に優秀」など、とても良質な内容が書かれています。

集中するとはいかに1つのことにのめり込めるかというより、いかにそれ以外に気を散らさないでいられるかが問われるのです。ほかのことを切り捨てる能力の差が、すなわち集中力の差となって表れているのです。

集中力がある人は、「このほかのことを切り捨てる」をかなり意図的にやっています。上司や同僚、会社にかかってくる電話に仕事の邪魔をされないよう、始業前の早い時間に出勤するといった人などもそうでしょう。

藤田晋さんも、新人社員の時は、1人になれる時間帯に出勤していたとあります。

ちなみに僕は自宅が仕事場です。かつ事務所もあります。どちらも1人になれます。ただ聴覚が、おそらく平均的な人より敏感のため、耳栓をしながら働いています。

最近は前述のように企業の編集部としても仕事をしているため、他人と仕事をすることも多くあります。なかなか慣れない騒音です(笑)ここでも他人がいない時間帯(夜遅い時間帯)や耳栓を使って集中できる環境を作っています。

 

通勤時間や移動時間はビジネス書を読もう

第7章「オフにも成長するために」は仕事時間以外の使い方などについて書かれています。たとえば「新聞の読み方」「麻雀」「酒の席」などについてです。

藤田晋さんは「麻雀最強戦」(「近代麻雀」誌主催)に優勝したほどの腕前です。

私は本を読むことを強くお勧めします。特に仕事に対して意識の高いアソシエ読者なら、積極的にビジネス書を読むべきです。移動中は手元にあるものでしか時間をつぶせないので、あれやこれやと目移りすることがありません。誘惑が少ない分、腰を据えて物事に取り組めます。普段より集中できるわけです。

僕も本はビジネス書など、ジャンルを問わずに読んでいる方だと思います。ただ、最近は小説が減ってきてしまっているため、ちょっと焦っていますが(笑)

「本を読む」とどこか「意識が高い」ように扱われがちですが、それはわざわざ吹聴してしまい、内容(行動)が伴っていないからに他なりません。インターネットの情報にも良いものはありますが、やはり本から得られるものは格別です(今のところは)。

ここで書かれている「アソシエ」とは、本書のもとになったコラムが連載されていた「日経ビジネスアソシエ」のことを指しています。

 

今日のまとめ

『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー』が発売されたのは2009年4月です。あれから7年半、インターネットを取り巻く環境は大きく変わりました。本書でも言及がありますが、「スマホ」の大きく普及しました。ただ、仕事の本質はいつの時代も同じなのかもしれません。

前述のように、本書は「日経ビジネス Associe」で連載されていたものを書籍化したものです。続編に『藤田晋の成長論』もあるので、そちらも合わせてチェックするのをおすすめします。