「シェアリングエコノミー」が加速する世界、拒む日本

Photo by Alan Levine

ここ数年、「シェアリング・エコノミー」という概念が浸透してきました。

部屋をシェアするAirbnbによって、海外の滞在費用がより安くなり、ライドシェアのUberによって、海外特有の「ボッタクリ」に遭う心配もなくなりました(これまで阿漕な商売をしてきた人たちは、いよいよツケを払う時期が来たのだと思います)。

お隣の中国では「何でもシェアする」ことに挑戦しています。世界的にも「シェアリング・エコノミー」の流れが加速しています。

しかし、僕たちが住む日本ではこの「シェアリング・エコノミー」に消極的です。「自分たちの利益を守りたい」既得権益を持つ者たちによって、規制されているからです。

ここでは「シェアリング・エコノミー」について僕が思うことを書いていきます。「どのように活用するか」、「どのように仕事にするか」考えるきっかけになれば幸いです。

 

本から学ぶ

時代の流れを知るにはインターネットニュースなどが最適です。しかし、得た知識を深掘りするためには(体系立てて把握するには)本の力を借りるのが早いでしょう。

どれも1,500円くらいで整理された情報が手に入ると思えば安いですし、お金がなければ中古で買ったり、図書館で借りることもできます。

僕は移動することが多く、荷物を持ち歩きたくないため、基本はKindle版で読んでいます。

ここでは「シェアリング・エコノミー」について、どのようなものか、どのように派生するのか、実際に運営している人の声が分かる3冊を選んでみました。

 

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略

クリス・アンダーソンさんの『フリー』が出版された頃、似た表紙の本が並んでいたのを覚えている人は多いのではないでしょうか。それが『シェア』です。

この2冊は同時に発売されたわけではないのですが(『フリー』の1年後に『シェア』が発売された)、店頭では一緒に陳列されていたため、一緒に覚えている人が多いのだと思います(両方ともNHK出版から出版されています)。

<所有する>から<利用する→SHARE>へ

2010年、まだAirbnb(2008年創業)なんて日本では聞くことがなかった時代に発売されたこともあり、「今度は共有なんだ〜」とおぼろげに感じていた人がほとんどだったと思います。

 

シェアリング・エコノミー ―Uber、Airbnbが変えた世界

いよいよ「シェアリング・エコノミー」という概念が浸透した頃に発売されたのが『シェアリング・エコノミー ―Uber、Airbnbが変えた世界』です。

本書では「シェアリング・エコノミーとは何か?」という基本から、「どのような影響があるか?」「どのような問題点があるか?」などに触れられています。

たとえば「所有する」から「シェアする」に変わったとき、まっさきに思いつくのが「モノが売れなくなる」ということです。しかし「そんなことないですよ」という点についても言及されます。

実際、トヨタはUberに出資を発表しています。

参考:トヨタ、米ウーバーに出資へ 戦略提携検討を発表

 

Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法

そして、シェアリング・エコノミーを代表するAirbnbのノンフィクションが『Airbnb Story』です。

ブライアン・チェスキー、ジョー・ゲビア、ネイサン・ブレジャージクの3名がどのようにAirbnbを作り上げたかを知ることができます。

冒頭、ブライアンチェスキーが人生の目的を失っている描写が好きでした。

セリフ部分だけを引用します。

「車の中でひとり運転していると、目の前の道が地平線に吸い込まれていく。バックミラーを見るとうしろも同じなんだ。なんだか自分の人生を見ているようだった」

「なんか、僕の人生はこうして終わっていくんだ、って思った。大学で教わってたことと違うんだって」

誰もがこういう時代を経験していることが分かりますよね。

「何度でもローンチしろ」まさに言葉の通りだと思います。

 

海外を見て感じたこと

シェアリング・エコノミーを知るための3冊を紹介しました。

ここからは実際に僕が海外を見て感じたことを書いてみたいと思います。

ASEAN諸国はシェアリング・エコノミーが普及している

フィリピン、マレーシア、タイ、これら勢いのあるASEAN諸国ではどこもAirbnbやUberが人気です(タイはAirbnbが規制されはじめました)。

ASEAN諸国はアメリカ発のUberもそうですが、マレーシア発のGrabの方が人気だと言います。僕が見た感じだと、マレーシアは空港が一面Uberの広告だったのを覚えています(本社があるAirAsiaの広告も多かったです)。

タイはBTS(電車)一面がGrabの広告でした。

僕はGrabは使っていないのですが(今度使ってみたい)、Uberは不自由なく使えます。Airbnbもセルフチェックインを使えば、余計なコミュニケーションをすることなく滞在が可能です。

オーストラリアもシェアリング・エコノミーが使いやすい

オーストラリアもAirbnbにUberといったサービスが使いやすかったです。

現地で知り合った人によると、AirbnbだけでなくCouchsurfing(カウチサーフィン)を使ったシェアも盛んに行われていると言っていました。さすがに日本ではあまり見かけませんが。

オーストラリアは物価が高いのでシェアリング・エコノミーの恩恵に与れます。

台湾はUber規制

さて、ここまで景気の良い話でしたが、台湾では2017年2月にUberが撤退しました。

参考:米ウーバー、台湾でサービス停止へ 当局が規制強化

僕自身、台湾で激ボッタクリタクシーに乗ったことがあるので(ホント恥ずかしいです)、Uber撤退は残念なニュースでした。ほんの半年前のことですが、「人間は経験をすると成長するのだな」と自分でも思います(笑)。

関連記事:【12日目】台湾の記録 – 帰り、無事タクシーでぼったくられる

 

ソフトバンクも絶賛投資中

孫正義さん率いるソフトバンクもライドシェア企業に投資をしていることが、たびたびニュースに報じられますよ。

最近では、GrabとDidi(滴滴出行/中国のライドシェア)に投資をしたことが話題になりました。

シェアリング・エコノミーに投資をして、サービスを使うための通信会社を持っていて、さらに端末に搭載するチップを開発するARM社を傘下にするなど、スゴすぎますね(笑)。

参考:配車サービスGrab、ソフトバンクとDidiから20億ドル調達――今後は決済サービスにも注力

 

日本はまだまだシェアリング後進国…

アジアなど海外の様子を見ると、日本がいかにシェアリング・エコノミーの後進国であるかが分かります。最近はAirbnbが少し普及してきたかなという印象です。

Uberは東京でウロチョロ走っているくらいで、とても実用的とは言えないレベルです(価格も)。「タクシーの相乗り実験」がはじまったようですが、世界から2周くらい周回遅れになってしまっている感が否めません。

今後は中国から「自転車をシェアするサービス」が入ってくるようですし、動向をチェックしておきたいと思います。

 

今日のまとめ

世界で浸透しはじめている「シェアリング・エコノミー」という概念。日本では今後どのような流れになるのか気になるところです。

整備が整っていないのが現状ですが、これは「不満」を燃料にするチャンスなのかもしれません。サービスを活用するもよし、自分で作るもよし、より便利になることを楽しみにしています。