高城剛『2035年の世界』人類はもしかしたら「死ななく」なるかもしれない

2035年の世界

これから20年の間に、人類は体験したことがない大きな変化に直面することになる。その最たることは、人類はもしかしたら「死ななくなる」かもしれないということだ。

衝撃的な書き出しではじまる高城剛さんの著作『2035年の世界』。

笑うことはかんたんですが、2008年頃にはすでに「LCCの台頭」を語っていたことを考えると、あながち切り捨てることはできないかもしれません。個人的に高城剛さんの先見性のスゴさは尊敬しています。

ということで高城剛さんの『2035年の世界』を見てみましょう。

 

2035年の世界

高城剛さんの著作『2035年の世界』は、全部で8つのセクションに分かれています。

  1. 身体科学
  2. 科学
  3. 移動
  4. スタイル
  5. リスク
  6. 政治
  7. 経済
  8. 環境

Kindle版のみ『2035年の世界 無料Trial版』があります。

 

私見的な未来予測の本

そもそも、本作は私見的な未来予測の本とあります。

本書は、およそ8から9年に一度出版している私見的な未来予測の本である。1997年に、二地点居住やキーボードがないコンピュータの未来、そしてサーバーを制する者が世界を制すると説いた『デジタル日本人』(講談社、現在絶版)を上梓してから不定期に刊行している、極めて私的な未来予測の本であり、未来への糸口を多くの読者につかんでいただきたい一冊である。

『デジタル日本人』はAmazonで5万円以上の価格になっていますね(笑)

「およそ8から9年に一度出版している私見的な未来予測の本」とあるので、ほかの著作も探してみました。間隔からすると、おそらくこのあたりでしょうか。

  1. デジタル日本人(1997年)
  2. 「ひきこもり国家」日本(2007年)
  3. 2035年の世界(2014年)

 

宝島社シリーズ

ただ、『「ひきこもり国家」日本』は宝島社から出版されているシリーズなので、違うかもしれません。ちなみに宝島社から出版されているシリーズは以下の通りです(健康関連の書籍は除く)。

  • 「ひきこもり国家」日本(2007年)
  • 70円で飛行機に乗る方法(2008年)
  • モノを捨てよ世界へ出よう(2012年)
  • 高城 剛と考える 21世紀、10の転換点(2014年)

こうやってシリーズを追うのもよし、全部読むのもよしです。『白本』『黒本』などの「Q&A」シリーズもおすすめです(と無限におすすめを増やしてみる)。

 

ボディ・エリア・ネットワーク

医療費削減の切り札として「ボディ・エリア・ネットワーク」(BAN)が出現すると予測しています。

体内埋め込み型のデバイスが実用化されるのは2020年前後になる。2013年前後にはナイキやiPhoneの周辺機器を作るサードパーティが、活動量やカロリー、歩数、血圧に血糖値といった情報を管理するリストデバイスを開発しており、2015年頃からは、アップルやサムスン、そして思いもよらぬメーカーからも何らかのリストデバイスがリリースされるだろう。

こうやって見ると、本当に合っていることに驚かされます。僕も読むまではいまいちピンときませんでしたが、リストデバイスによる管理に興味が出てきました。

 

未来の音楽

「科学」のセクションは、AIによる起業、コンタクト・デジカメ、など興味があるものがたくさん掲載されていました。その中でも特に気になったのが「未来の音楽」です。

AI自信が過去のヒット曲を分析しながら、また過去の曲を違法にならない長さでサンプリングおよびマッシュアップし、AIそのものがヒット曲を作るようになるだろう。これは技術的特異点を迎える少し前の2040年前後の話になると思われる。

もちろん歌詞も「ギャル演歌」を使ってAIが書くと予想されています。ちなみに「ギャル演歌」とは、「君」「奇跡」「扉」「翼広げ」「瞳閉じる」「そばにいるよ」などですね(笑)

 

自動運転

「移動」セクションも興味深いものが多数あります。近い未来としてあげられるのは「自動運転」ではないでしょうか。ニュースでもよく取り上げられていますよね。

トヨタとグーグルはどちらがイニシアチブを握るのかについて面白い記述がありました。

現在、自動運転技術はトヨタのような自動車メーカーと、グーグルに代表されるIT企業がしのぎを削っている状態だが、将来、イニシアチブを取るのはIT企業のほうだと僕は考えている。なぜなら、自動運転のコア技術は人工知能と通信技術だからだ。自動車にコンピュータをつけようとしている自動車メーカーと、コンピュータに車輪をつけようとしているIT企業では、AIの開発力が高いのは、圧倒的に後者である。

すごく納得がいきます。

 

個人の時代

「スタイル」のセクションでは、よく高城剛さんが言及する「個人の時代」が来ることを明言しています。これはもう僕たちが意識するくらいジワジワとやってきていますよね。広告の信憑性が下がり、口コミなどの影響力が増えてきています。

この新メディア時代を見込んで新しいジャーナリズムを追求した媒体も増えており、それは企業に限らない。個人および少人数のメディアも勃興するだろう。もっと社会暗部と深層に食い込む専門チャンネル、というより映像サイトが、いわゆるお茶の間のテレビで見られるようになるだろう。その鍵は個々のアップロード力が握っている。

「社会暗部と深層に食い込む」って意味深です。

 

肥満問題

「リスク」のセクションでは、「肥満」「水」「地震」「小惑星の衝突」といったテーマが語られます。甘いもの好きとして、「肥満」は気になるところです(体型は整えていますが)

このまま肥満化が進むと、日本は少子高齢化とダブルで頭を悩ませることになるだろう。そして、その傾向は低所得者に多い。

僕、マクドナルド好きなんですよね…(危険)

 

朱子学と陽明学

「朱子学」と「陽明学」という言葉を聞いてパッとイメージできる人は少ないと思います。僕も読むまでほとんど知りませんでした(読むとすぐに分かります)。

  • 朱子学:上に忠節を尽くすことを重視する
  • 陽明学:観念より実践を重視する

ところが、バブル崩壊で、ふたたび陽明学は挫折した。いまの企業経営はCEOの権限が強いトップダウン型で、政府も自らの権限を教科しようと動いている。現在は明らかに朱子学が優勢だ。

今後はどのように変わるのでしょう。

 

ハードリセット

「ハードリセット」とは、”これまで積み上げてきたものを破壊してゼロの状態からやり直すこと”とあります。

今後20年の間に、日本はなんらかのハードリセットを経験するだろう。日本が抱えている閉塞状況は、先延ばしできる限り先延ばしされ、結果ハードリセットを迎えなければ解決できない状態に陥っているからだ。

戦争、経済破綻、日本はどのようなハードリセットを経験するのでしょうか。そのためにも個人で日本に依存しないシステムを持っておく(経済力など)ことが大切だと思っています。

 

バイオとオーガニックのハイブリッド農業

最終セクションの「環境」では、「新氷河期」や「熱中症」など環境に関する未来が予測されています。その中で興味があったのが「農業」です。

バイオとオーガニックは、こちらのマインド的には相容れなくても、事実は相性がいいうえに、遺伝子組み換えのマイナスイメージを払拭させるようなキャンペーンも行われるだろう。おそらく2035年には、良くも悪くも、バイオとオーガニックのハイブリッド野菜がスーパーにたくさん並んでいることになる。

ここでいう「バイオ農業」とは、いわゆる「遺伝子組み換え」を指します。これにオーガニックが加わると高城剛さんは予測します。

農業は、『島耕作』シリーズでもオランダの農業が描かれており注目していました。これからどんな農法が出てくるのかなと楽しみです。

 

今日のまとめ

『2035年の世界』は、現在ではまだまだ分からないことも多く書かれています。人によっては「あり得ない」と感じる人もいるかもしれません。それは「あり得ない」のか、「あり得ないと信じたい」のか。ほんの20年後の未来、仕事をする上でも参考にしていきたいです。