高城剛『21世紀の英会話』最後は「その地に出向き、その地で暮らしてみて、その地で学び考える」

21世紀の英会話

海外に行ったときにスムーズな英語が出なくてあたふたした経験がある人は多いと思います。恥ずかしながら僕自身もそのひとりです。ただ、不思議なことで、現地で交流をしているうちに、「こう話せばいいんだ」という感覚が身についてくるのも事実だったりします。

そんな遠回りとは別に「英会話を学ぶ術があったら…」「世界の英語について知りたい」と思っている方にぴったりなので、今回紹介する高城剛さんの『21世紀の英会話』です。

世界を渡り歩く高城剛さんが考える「英語」について、学んでいきましょう。

 

21世紀の英会話

『21世紀の英会話』は全部で4つのチャプターとエピローグに分かれています。

  1. 日本の英語教育と日本人の英語力の残酷な真実
  2. 英語教育のパイオニア・韓国を追い越せ
  3. 英語の基礎を作る「オンライン英会話」のススメ
  4. 英語力を最短で伸ばす「フィリピン留学」のススメ
  5. 僕の体験的英語学習法

ここでは各章の概要についてまとめてみました。

 

日本の英語教育と日本人の英語力の残酷な真実

英語は、グローバル化社会を生き抜くライセンス

今の日本の現状では中学と高校で6年間英語を学んでも、ほとんどの人が英語を話せるようになりません。つまり、英語を話せる/使えるようになりたければ、学校の授業とは別に、個人個人が「特別な努力」を払って英語を学ぶ必要があるわけです。

この「特別な努力」が本書ではふたつ紹介されています。

  • オンライン英会話
  • フィリピン留学

「オンライン英会話」というと高いイメージがありますが、本書ではコストをかけない方法を推奨しています。

今や英語は、毎月数万円を支払って英会話スクールで学ぶものではなく、自宅のPCの前やスマートフォンやタブレット勝手に気軽に学べるものになったのです。「コストをかけず、気軽に学ぶ」。そのトレンドは、英語留学のスタイルにも変革をもたらしています。

 

世界が驚く「英語が話せないニッポン人」

日本人は読み書きはそこそこできるのに、会話力―つまりリスニングとスピーキング―が極端に不足しているのです。

まさしく、僕も典型的なこのタイプでした。

本書では、「日本人が英語を話せない理由」として、以下の3点をあげています。

  1. 日本語と英語の言語間距離
  2. 「正しい英語を話さなければならない」という脅迫観念
  3. 日本人はこれまで英語を話す必要がなかった

「言語間距離」というのは難しいですよね。

言語間距離というのは、簡単に言えば異なる言語同士の文法や発言における類似性を距離にたとえたもので、一説には母語との言語間距離が近い(文法や発音に共通点が多い)言語ほど学びやすく、母語からの距離が遠い言語ほど習得が難しいと言われています。

ちなみに日本人が習得しやすい外国語(難易度1)は「インドネシア語」「韓国語」「スワヒリ語」「マレーシア語」、習得が難しい(難易度4)のは「ロシア語」「ポーランド語」「チェコ語」「アラビア語」なのだそうです。たしかに、アラビア語は特にわからんですね…。

英語は「難易度3」です。

 

英語教育のパイオニア・韓国を追い越せ

韓国には「狭い国内」+「IMF危機」という要因によって活路を求めざるを得ない状況がありました。

国内が狭いということは「内需が小さい」ことになります。人口が減少していく日本も…。

イスラエルなども内需が小さいことから、ビジネスをするときは最初から外需を考えるとか言いますよね。こういう視点は、日本人にとって今後とても大切になると思います。

 

7人に1人が海外を目指す韓国とフィリピン留学

ここで海外における韓国人と日本人の数の違いを見てみましょう(データはすべて本書によるものです)。

韓国 日本
海外で暮らす人数 約720万人 約118万人
海外留学者数 約25万人 約6万人
人口 約5000万人 約1億2000万人

韓国では留学者数がどんどん増えているのに対して、日本は逆に毎年減っているのだそうです。

これらの数字を見るだけでも、積極的に海外に向かう韓国人に対し、日本人がいかに内向きかというのがわかると思います。

 

英語の基礎を作る「オンライン英会話」のススメ

僕はまず、この「正しい英語」へのこだわりを減らし、学校で習った「読み書きのインプット」を使ってどんどん「聴く・話す」という形でアウトプットする機会を増やすべきだと思います。

この考えは高城剛さんだけでなく、多くの本でも推奨されています(ということも本書に書かれています)。

英語は、覚えた単語や文法を繰り返し「使う」ことで上達します。これは間違いありません。机上の学習と会話の実践を、毎日のように継続する(=量をこなす)ことが重要なのです。すなわち英会話で大切なのは、「慣れ」です。

そのため、「実践ができるオンライン英会話が最適」なのだとあります。

オンライン英会話に向いている人には以下があげられています。

  • 英語が初級〜中級レベルの人
  • 英語学習に高いコストをかけられない人
  • 日々の時間が取れない人

本書では、オンライン英会話のキモとなる「講師選び」の具体的な方法が解説されています。

 

英語力を最短で伸ばす「フィリピン留学」のススメ

英会話を学ぶ方法としてふたつめにあげられているのが「フィリピン留学」です。

実際に留学してみて強く感じたのは、フィリピン留学はオンライン英会話を10倍濃縮させた内容だということです。

 

フィリピン留学のメリット・デメリット

【メリット】

  • コスト
  • マンツーマンレッスン中心の「英語漬け」環境が簡単に手に入る
  • 学んだ英語を生活の場ですぐに実践できる

 

【デメリット】

  • スクールの講師たちのレッスンクオリティのバラつき

 

高城剛さんはフィリピン留学をしましたが、彼はすでに英語ができるため、この体験はあくまで本書を書くためです。

僕自身はタブロイド新聞が読める程度の語彙と文法知識がすでにあり、試験のための英語も必要なく、あとは「今より強烈なプレゼンテーションの方法を身につける」ことだけですので、正直、フィリピンの英会話学校はあまり向いていないと感じました。そういう意味で、やはりフィリピン留学は初心者から中級者に最も適していると言えるでしょう。

良いステップアップとして以下の順番があげられています。

  1. 日本でオンライン英会話
  2. フィリピンで短期集中留学
  3. ワーキングホリデーやネイティブ国への留学

本書では、「学校選び」の具体的な方法が解説されています。

 

僕の体験的英語学習法

エピローグとして、高城剛さんがどのように英語を学習してきたかが書かれています。僕はこれがもっとも読みたかった部分です。

まずその地に出向き、その地で暮らしてみて、その地で学び考える、ことでしかありません。

こう書くと、なんとなくカッコいいようにも聞こえますが、実際は、テレビや町中で聞いて英語を覚えて、生きていくためにその地の多くの人たちと会話し、ときには仕事をしながらひたすら覚えることだけです。

本書でもっとも読み応えがあるのがこのエピローグです。

英語の学習法として以下の方法が推奨されています。

  1. 自分が興味ある専門の雑誌やサイトを徹底的に読むこと
  2. 広告に出ている単語を最低でも理解する
  3. 子ども向け映画に出てくるような台詞は最低限理解する
  4. 「環境」を築くこと

これがもっとも価値がありました。

英語は、徐々に右肩上がりに習得を実感できるものではなく、不思議なことに、ある日突然英語を理解できる自分を見つけ出すようになることが大切なのです。その日を楽しみに、あきらめずに「環境」作りをするといいでしょう。

 

今日のまとめ

これから、内需だけでなく外需を意識しなければならない時代がやってきます。僕はエピローグにもあったように、その地に出向き、その地で暮らしてみることを基本にしながら(もちろん本は読みます)、これからも英語を学んでいきたいと思います。