高城剛『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』2020年以降の日本は「最後の楽園」が決める

カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?

「カジノ」「IR」どちらもここ数年、にわかに耳にするようになりました。

「日本にカジノができる?」「カジノとIRって違うの?」特に後者については、はっきり違いを理解している人も少ないと思います。恥ずかしながら、僕自身もそうでした。

今回は世界中を旅して回る高城剛さんの目線から書かれた『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』を紹介します。

 

カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?

本書は全5章で構成されています。

  1. なぜシンガポールは短期間で観光収入を3倍に増やせたのか?
  2. マニラ急成長の秘密と、マカオ衰退の理由
  3. 世界一のカジノ国 フランス
  4. 90年代ラスベガスの成功と、近年のニューヨーク州ラスベガス化戦略
  5. 世界のカジノから日本は何を学び、何を生かすべきなのか?

 

はじめに

カジノとIR。それは、似て非なるものであり、このふたつにおける成り立ちや目的の違いをはっきりと認識していなければ、日本での成功の目はないだろう。(中略)

僕は、このIRの成功こそが2020年以降の日本という小さな島国での経済を再び活性化させるための大きなチャンスであると考えている。現在、2020年の東京オリンピックが終われば、その先には次の起爆剤として、考えうる材料はひとつもない。

本書の「はじめに」にはこのように書かれています。

そこで、本書ではシンガポール・マニラ(フィリピン)・マカオ(中国)・フランス・ラスベガス(アメリカ)といった世界各国のカジノとIRを例にあげながら解説していきます。

 

なぜシンガポールは短期間で観光収入を3倍に増やせたのか?

シンガポールが短期間で観光収入を3倍に増やした理由は、目次を見るだけでつかめるはずです。

  • 導入するなら、カジノではなくIR
  • 観光戦略の基本は、世界各国の「パクリ」
  • 優れたカジノ管理法で不正と犯罪のないクリーンな施設に
  • ガーデンシティ政策による「安心」「快適」「清潔」な街づくり
  • シンガポールの美観は”罰金”がつくる

特に世界各国の「パクリ」をするというのは、とても興味深かったです。

 

マニラ急成長の秘密と、マカオ衰退の理由

第2章ではマニラ(フィリピン)が急成長した理由、そしてマカオ衰退の理由が書かれます。僕もフィリピンは大好きです。

現在、総売上世界一のマニラに迫る勢いでIRの開発が最も活発化している国は、フィリピンなのだ。(中略)

また、2016年6月に新政権をスタートさせたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、世界有数の犯罪都市からの脱却を図るため、公約に掲げた「治安改善」に乗り出している。(中略)

これからマニラは、かつてのニューヨークのような変貌を遂げるのかもしれない。

たしかに、マニラは現時点ではけっして治安が良い場所とは言えません。それでも本書に書かれているような改善が多くあるため、今後はさらに発展することが予想されます。こうして見ると、非常に楽しみです。

 

隆盛を極めたマカオの衰退。なぜ中国人は消えたのか?

一方、マニラと比べて衰退しているのはマカオだと筆者は言います。

2014年以降は、急激に衰退に向かう。その背景にあるのは、2013年に中国の国家主席となった習近平による、共産党史上最大の「汚職撲滅キャンペーン」だ。(中略)

マカオ当局によるカジノ周辺の規制および入境制限の強化などが進む中、マカオのカジノからは中国人VIP客の姿が消えたのだ。売り上げの大半を中国本土からやってくるハイローラーに頼っていた賭博業収入は、2015年1〜4月には前年比の約4割減にまで落ち込んでいく。

「ハイローラー」とは、高額を賭けるお客さんのことを言います。

 

世界のカジノから日本は何を学び、何を生かすべきなのか?

IR戦略において重要なのは、やはり「センス」だ。

ただカジノを開業しさえすればうまくいく、というほど安易ではない。国家が巨額の投資をせずとも、どんな仕組みをつくり、エンジンとなるカジノをどう生かすかという発想次第で、成功にも失敗にも、いくらでも導くことができる。

これが、ただのカジノとは違うIRの本質である。

ここで高城剛さんは以下の点を見習うべきだとあげています。

  • 外国人による外国人のためのIR施設
  • アクセスなどは政府や自治体で完璧にフォローする
  • 強固な法整備
  • 英語力

おもしろいのは「おもてなし」についての言及です。

日本にはもてなしの文化があり、街中のファストフード店ですらホスピタリティもサービスレベルも高いが、いかんせん海外ゲストに対応できるだけの英語力すらない上に、そこまで先方は「おもてなし」を望んでいないことも多い。

けっこう苦笑いですよね…。

本書では最後に「高城流」のIR構想が書かれています。

 

今日のまとめ

毎度ながら、高城剛さんの著作は読んでいるとワクワクさせられます。2020年以降の日本を悲観するのではなく、「どうなるんだろう!」と楽しみにする、自分で動くのも悪くありません。