高城剛『黒本』自己出版だからこそできた「黒い」ネタ満載の一冊

黒本

前回、紹介した高城剛さんの著作『白本』の対になるのが、『黒本』です。通常「対」というと、同時発売(出版)のイメージがありますが、『黒本』は『白本』の3ヶ月後に出版されています。

前作とおなじくKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)で出版されました。KDPで出版された理由は、タイトルから分かるように、大手出版社から「出せない」から。

実際、大手出版社から「出せない」と言われた言説も多くあり、そのことがむしろ「日本の真実」を裏付けています。

『黒本』 – はじめに

高城剛さんについては前回の記事を参照するとして、今回は特に気になった質問を紹介します。

 

「日本式システム」

本書だけでなく、本シリーズを読む上で頻繁に出てくる言葉のひとつが「日本式システム」です。

日本の儒教は「目上の権力者が築いたフレームを壊すな」という教えなのです。そして困った時には、上下関係を正そうとするのではなく、下のものたちだけで互いに工夫し助け合え、という思想です。後者は今日「絆」や「和」という言葉に置き換えられています。

本当はフラットな上下関係やシステム変更がピンチを乗り切るのに大切なのは言うまでもありません。このように、「日本式儒教」システムが堅牢なため、後輩にあたる新産業の芽がいつまでも出ないのです。

Q4 日本式システムとは?

だいぶ端折りましたが、これが高城剛さんの考える「日本式システム」です。皮肉たっぷりです(笑)

こういったしがらみから解放されるには「世界に出るしかない」ということを、常々書かれています(本シリーズに限ったことではありません)。

 

日本の音楽シーンがわかっている人は海外へ移住している

『黒本』ならではの内容に、音楽についての言及があります。最近の音楽チャートについてはこのように述べています。

2010年頃からの年間トップ10を見ると、「嵐」と「AKB」だけです。アーティストと呼ばれる人は、ひとりもいません。もう音楽産業ではなく、キャラクター産業の副産物となっているのが、残念ながらよくわかります。(中略)

既に、日本の音楽シーンの未来がわかっている若手人気バンドは、第三の道を目指し海外へと移住しています。

Q12 311以降の音楽ビジネスについてどう思いますか?

気持ちいいほどの代弁です(笑) 特に誰が悪いというわけではありませんが、語弊を覚悟で書くと、これらとは距離をとるのが大切であることが分かります。

 

「クールジャパン」は輸出方法を完全に間違えている

どこか違和感を覚える「クールジャパン」という言葉。「日本の文化を発信する」という意味合いで使われているのだとは思いますが、おそらくこれが近いのだと思います。

東の外れにある国の「変わった文化」が面白い、と思ってる人がいるだけです。日本におけるインド映画(皆で踊ってるヤツ)と同じです。完全にビジネスとして輸出方法を間違えてしまったと思います。(中略)

散漫になってしまったのを一度回収して仕切り直さないと、5年後に酷いことになると思います。どなたかができるだけ早く、正しい方向性を見いだすことが大事だと思います。

Q29 クールジャパンにイノベーションはないって本当ですか?

僕は元々原宿のファッションで育ったのですが、「Harajuku」にしても「Kawaii」にしてもどこか胡散臭さを覚えてしまうのです。なんというのでしょう、どこかでオッサンが操作している感が否めなくて…。

 

『白本』『黒本』はKindle Unlimitedでも読めます

ということでザーッと『黒本』の気になる質問をなぞってきました。

ちなみに本シリーズ『白本』『黒本』は、月額980円でKindle本が読み放題になるサービス「Kindle Unlimited」対象タイトルになっています。単品でも280円という懐にやさしい価格ですが、読み放題もおすすめです。僕はKindle Unlimitedで読んでいます。高城剛さんの出版できない「黒い」内容をお楽しみください。