リンダ・グラットン『WORK SHIFT』必読は「高い価値をもつ専門技能の三条件」

WORK SHIFT

2016年に日本で発売されたリンダ・グラットンの『LIFE SHIFT』がベストセラーになっていますね。

リンダ・グラットンさんは、ロンドン・ビジネススクールの教授です。

今回は『LIFE SHIFT』の前著にあたる『WORK SHIFT』を紹介します。

個人的にはこちらの方が好きだったりします。

 

WORK SHIFT

本書はかなりの分厚さ(430ページ)です。とはいうものの、Kindleで読んでいると、本の厚さを気にすることはありません。「筆が早い」という言葉くらい、本来の意味が薄れていくのだと思います。

さて、『WORK SHIFT』は全10章で構成されています。

  1. 未来を形づくる五つの要因
  2. いつも時間に追われ続ける未来―三分刻みの世界がやって来る
  3. 孤独にさいなまれる未来―人とのつながりが断ち切られる
  4. 繁栄から締め出される未来―新しい貧困層が生まれる
  5. コ・クリエーションの未来―みんなの力で大きな仕事をやり遂げる
  6. 積極的に社会と関わる未来―共感とバランスのある人生を送る
  7. ミニ起業家が活躍する未来―創造的な人生を切り開く
  8. 第一のシフト―ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  9. 第二のシフト―孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  10. 第三のシフト―大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

さらに大きな塊として、全4部で構成されています。

  1. なにが働き方の未来を変えるのか?(1章)
  2. 「漫然と迎える未来」の暗い現実(2, 3, 4章)
  3. 「主体的に築く未来」の明るい日々(5, 6, 7章)
  4. 働き方を<シフト>する(8, 9, 10章)

読んでいて特に面白かったのは、第3部でした。

 

なにが働き方の未来を変えるのか?

ここでは未来を変える要因として5つがあげられています。

  1. テクノロジーの進化
  2. グローバル化の進展
  3. 人口構成の変化と長寿化
  4. 社会の変化
  5. エネルギー・環境問題の深刻化

本書が書かれたのは2011年(原著『The Shift』)なので、今から約6年前になります。

その間ですら、テクノロジーの進化とグローバルの進展は加速していますよね。

2011年というと、東日本大震災があった頃ですから、インフラでいうとインターネットを使ってようやく動画を見ることが浸透するかどうかといった頃だったはずです。

そう考えると、確実に「Shift」しているのが分かります。

 

「漫然と迎える未来」の暗い現実

暗い未来では「時間に追われること」「孤独」などが描かれます。

また、「貧困層が増えること」について、「勝者総取り」という意見を述べています。勘の良い人なら気づくように、インターネットはひとりの勝ちと、ほかすべての負けという、勝者総取りが起こりやすくなります。

今、もっとも顕著なのはAmazonとその他の小売り業ではないでしょうか。

 

「主体的に築く未来」の明るい日々

一方、本書でもっとも興味深かったのは「明るい未来」です。

特に第7章の「ミニ起業家が活躍する未来」に興味深い記述がありました。

2015年には、世界中で何十億人もの人たちがミニ起業家として働き、ほかのミニ起業家とパートナー関係を結んで、相互依存しつつ共存共栄していく仕組み――「エコシステム(生態系)」と呼ばれる――を築くようになる。

おそらく、漠然とした不安がある人は、この章を読むだけで、霧が晴れるはずです。

 

働き方を<シフト>する

そして、働き方について、3つの大きなシフトがあると書かれています。

  1. ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  2. 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  3. 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

「連続スペシャリスト」と近いことはよく言われますよね。

たとえば、藤原和博さんや堀江貴文さんがいう「レアカード」も、これと同じものになります。

関連記事

本書では「高い価値をもつ専門技能の三条件」について以下をあげています。

  1. その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること
  2. その技能の持ち主が少なく、技能に対する需要が供給を上回っていること
  3. その技能がほかの人に模倣されにうく、機械によっても代用されにくいこと

これがキーになります。

パッと頭に思い浮かんだのは、「現代の魔法使い」こと落合陽一さんでした。

 

今日のまとめ

最初にも書いたように、個人的には『LIFE SHIFT』より『WORK SHIFT』の方が参考になると思っています。ここには仕事における未来の予測が書かれているからです。

「ライフワークバランス」のような言葉が好きな人なら分かりませんが、少なくともやりたいことをやっている人には、本書をオススメします。