今、もっとも活動が面白いと思う人のひとりが西野亮廣さんです。
「芸人」という枠からはみ出しまくって世間から叩かれ、好感度が低いはずなのにクラウドファンディングでは多くの信用(お金)を得ています。
今回はそんな西野亮廣さんの待望の著作(2冊目のビジネス書)『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』を紹介します。
目次
革命のファンファーレ 現代のお金と広告
『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』は「第◯章」といったように章立てがありません。ここでは目次をあげます。
- はじめに
- 他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。
- キミの才能を殺したくなければ、お金の正体を正確に捉えろ。
- お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。
- 意思決定の舵は「脳」ではなく、「環境」が握っている。
- 入り口でお金を撮るな。マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ。
- 作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ。
- インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。
- 2017年1月。お金の奴隷解放宣言。
- 無料公開を批判する人に未来はない。
- 過去の常識にしがみつくな。その船は、もう沈む。逃げろ。
- ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない。
- 作品の無料化が進み、エンタメ業界は完全な実力社会になる。
- その作品を守る為に、「著作権」は本当に必要か?
- 本を売りたければ、自分で1万冊買え。そこで必要なのは「財力」ではない。「努力」だ。
- 「セカンドクリエイター」を味方につけろ。
- 信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ。
- 自分の作品と、社会を一体化させろ。
- 努力量が足りていない努力は努力ではない。誤った努力もまた努力ではない。
- ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え。
- お客さんは、お金を持っていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ。
- インターネットは「上下関係」を破壊し、「水平関係」を作る。
- 《後悔の可能性》を片っ端から潰せ。
- 老いていくことは「衰え」ではない。「成長」だ。
- 次の時代を獲るのは「信用持ち」だ。
- 本ではなく、店主の信用を売る古本屋、『しるし書店』。
- 売れない作品は存在しない。キミの作品が売れないのは、キミが「売ってない」だけだ。
- 出版のハードルを下げ、国民全員を作家にする出版サービス『おとぎ出版』。
- 踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ。
- おわりに
目次を見て「ピーン」と来た方もいると思いますが、堀江貴文さんの考えに近い人はかなり共感できると思います。
最近も「作品の販売を他人に委ねるな」とかありましたよね(『なぜ堀江貴文の本なはすべてがベストセラーになるのか?』)。
はじめに
西野亮廣さんもまた気持ちよいくらいにバッサリと世間を斬ってくれます。
上の世代は、職業をたくさん掛け持つと「結局、何がやりたいんだ! 一つに決めろ!」と咎めてくるけど、どっこい、やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ。
僕自身、まさにこのタイプ(掛け持つ)です。
ただ、いくつものことを言うと「すべてが半端」と思われるのも分かっているため、その世界で知り合う人には「その世界の人」という体で接するようにしています。
「認知」と「人気」の違い
スマホ登場前後で時代は明らかに変わったのに、以前の方法論のままテレビに出続けるというのことは、嘘を重ねなければならない場面に出くわしてしまうということ。嘘を重ねれば、当然、信用は離れていく。
この結果、「認知されているけどファンがいない」現象が起きるといいます。
反対に西野さんは世間的な好感度はけっして高くない(失礼)けれど、強烈に支持してくれるファンがいます(僕もそのひとりです)。
西野さんのテレビについての持論はほかにも興味深いものがあります。
「ひな壇」はテクノロジーに殺されるんじゃないかな?
アンチを手放してはならない
批判コメントは、片っ端からリツイート&シェア。批判する人達に「同じ声を上げている仲間がいますよー」とお知らせして批判派で徒党を組ませ、勢いに乗らせる。
これは本当にスゴい(笑)。
現に、西野亮廣さんはTwitterで批判的なコメントもリツイートしているんですよね。
反対派のエネルギーを使うというのは恐るべしです…。
無料公開を批判する人間の矛盾点
2017年1月、絵本『えんとつ町のプペル』の全ページをインターネットで無料公開したとき、賛否両論がスゴかったそうです。
しかし…
いずれも、なんだか正論っぽい。こうした意見が続々”無料アプリ”のツイッターで届いた。
言うまでもないが、「無料許すまじ!」の声を上げられたこれらの方々は、ツイッター社には1円も払っていない。
個人的には、テレビでもそうですが「こういう批判」をいちいち本人に伝えるという時点でなかなか「痛いな」と思ってしまうのですが、どうでしょう。
無料化が生む格差
無料化というのは「完全に無料」になるのではなく、マネタイズ(収益化)のタイミングを後ろにズラしたものといわれます。
そして、無料化が進むと実力化するというのが西野亮廣さんの意見です。
無料公開することで実力が可視化されて売上が上がる人間と、無料公開することで実力不足が露呈して売り上げが落ちてしまう人間の2種類が存在する。「実力がバレると、食いっぱぐれてしまうレベルの人間」が食いっぱぐれるのだ。
頼もしいような怖いような…。
「体験×おみやげ」で作品を売る
どうやら僕らは「作品」にはお金を出さないが、「思い出」にはお金を出すようだ。
これも以前から言っていることです。
ブログ記事にもあったので引用します。
人は作品にはお金は出さないけれど、思い出にはお金を出す。事実、これだけ時代が変わって、いろんな仕事がロボットに代替えされ無くなっていくのに、『おみやげ屋さん』は今日も元気だ。僕らは何故、『おみやげ』を買うのだろう?それは、『おみやげ』が、思い出を残す(思い出を思い出す)装置として《必要》だから。つまり、『おみやげ』は生活必需品で、米やパンや水や牛乳といった、そちら側に分類されていたわけだ。そりゃ売れるよな。
行動しない人間はアホである
本書は広告戦略について書かれています。
しかし、広告だけではない日陰の部分にも言及があります。
さんざっぱら、現代の広告戦略を語ってきたが、『えんとつ町のプペル』の発売から、まもなく1年。今でも、自分で立ち上げた予約販売サイトで「サイン本」の注文を受け付けて、朝4時に起きて、サインを入れて、レターパックに送り先の住所を書いて、郵便局に電話を入れて、配送手配。
これを発売日から今日まで、毎日やっている。1年間、毎日だ。
この1年で、2万冊ほどのサイン本を手作業でお届けした。
その上で、広告戦略を語らせていただいている。
行動しよう。
失敗したら、取り返せばいい。
大丈夫。
この人、ホントカッコ良いです。
今日のまとめ
西野亮廣さんの『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』を紹介しました。
「数十、数百の仕掛け」を作る戦略家であることも分かりますが、それと同じくらいそれ以上の努力もしていることが分かります。
「芸人」という枠に収まりきらない西野亮廣さんの活躍を僕も応援しています(というと上からみたいですが、本当にスゴい人だと尊敬しています)。