誤解を恐れずに書くと、高城剛さんほど本を読む前と後で印象が変わる人はいないと思います。
僕たちが知っている彼の印象って、メディアでしつこく放送されていた「ハイパーメディアクリエイター(笑)」ってものではないでしょうか。恥ずかしながら僕自身もそうでした。
しかし、何かのきっかけで著作に触れると、これまでの自分が恥ずかしくなり、同時に本人に謝りたい気持ちでいっぱいになります。
ということで、今回はこれまで度々紹介している高城剛さんの著作から、決して出版社を通しては出版できない自己出版だからこそできる『黒本 弐』を紹介します。
目次
黒本 弐
『黒本 弐』は高城剛さんのメールマガジン「高城未来研究所」の中のQ&Aコーナーを再編集した内容です。
本書は、およそ3年弱にわたって続けてきましたメールマガジン「高城剛未来研究所 フューチャーリポート」のなかのひとつである、読者とのQAコーナーを再編集した、あたらしい時代を生き抜くための知恵を考える集大成の第2弾です。
『白本』シリーズでは比較的やさしい(といっても十分鋭いですが)内容が書かれていますが、この『黒本』シリーズは、ドロドロとした内容が多く書かれているのが特徴です。
それでは気になった部分を引用しながら内容を見ていきましょう。
個人で電子書籍を出した感想は?
よく言えば「直販」することの面白さなんだと思いますが、悪く言えば「すべての言説を様々な理由で大手出版社が許可してくれず、検閲のようなことをするので、自分で出す」しかないのです。
出版社も新聞社もテレビ局も、事実上、寡占状態にあり、新規参入を認めないどころか、日本式システムの「和」を乱す者は徹底的に排除します。
高城剛さんの言葉にしばしば出てくるのが「日本式システム」です。
この違和感を感じている人ならきっと高城剛さんの世界に引き込まれること間違いありません。
何かを知りたい、調べたいと思った時どうしていますか?
僕は何かを調べようと思って検索するときに、大抵「5ワード」以上入力します。もし、何かを調べようと思っていたのに、「5ワード」も思いつかなければ、それはすでに「イマジネーションを奪われ、考える力を剥奪されている」ことの証だと思って、自らに思考の注意を払っています。(中略)
問題は検索エンジンではなく、使い方にあるのです。
前後の文章を切り取ってしまったので語弊があるかもしれませんが、この「5ワード」以上というのも、その後のメールマガジンなどでよく見かけます。
インターネットをどう使うか、本当にそう感じさせられます。
日本の会社員の未来像は?
今後、人々は「過剰とは何か」をもっと真剣に考えると思います。それをいち早く行った人たちは、いち早く次の未来へとコマを進められるんだと思いますね。
前段階として、「余暇」が「主暇」に変わるという話があります。その上で、過剰を取り除くようになるというのが高城剛さんの考えです。10リットルのデイバッグで半年間旅行するほどですからね(笑)。
高城流のお金の稼ぎ方を教えてください!
自分のやりたいことを、どこまでも貫く!ことでしょうか、8割くらい。10割じゃないことが、ポイントですかね。
これ気になっている人は多いのではないでしょうか。「8割」というところが興味深かったです。仕事である以上、「需要を考える必要がある」とかでしょうか。
クライアントを満足させるために心掛けていることは?
スゴい話に聞こえるかもしれませんが、僕が「このクライアントは駄目だな」と思ったら、一度引き受けていても、その仕事をできる限り早く辞退します。すなわち、「満足」するかどうかは、僕から見ればこちらの判断なのです。
スゴいです(笑)!
僕もクライアントとの取引をよくしますが、こんな姿勢で臨めるということに感心させられます。ちなみに満足できるかどうかの根拠は「ダサい」かどうかなのだとか。恐ろしい…。
今日のまとめ
何冊読んでも興味が終わることない高城剛さんの『黒本 弐』でした。この「白本」「黒本」シリーズはAmazon Unlimitedの対象タイトルなので、存分に読みたい方はそちらをオススメします。単品でも280円と激安です。