彼の著作を読んだ人は全員がこう思うのではないでしょうか。
「読むまでは、沢尻エリカの前の夫で『ハイパーメディアクリエイター』だと思っていたけれど、見方が変わった」
正直に言います。
僕もそうでした。
高城剛さんほど、メディアによって印象をねじ曲げられてしまった人もいないはずです。それは高城剛さんが生放送のテレビにはけっして出してもらえないことからも分かります。たしかに彼が生出演したら何を言うか分かりませんからね(笑)
今回は「高城剛についての本」である『私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明』を見ていきましょう。
目次
私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明
『私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明』は全部で16のPROFILE、合計144のQuestionで構成されています。それぞれのPROFILEは年齢ごとに区切られています。
- 仕事をはじめるということ 22歳
- テレビ番組を作るということ 24歳
- テレビドラマを作るということ 26歳
- CGアニメーションを作るということ 28歳
- 人前に出るということ 29歳
- 本を出すということ 30歳
- インターネットで仕事をするということ 31歳
- 空間演出をするということ 32歳
- 霞が関で仕事をするということ 33歳
- コンサルティングをするということ 35歳
- 企業で仕事をするということ 36歳
- 匿名で仕事をするということ 37歳
- DJをするということ 40歳
- 観光業をするということ 42歳
- 農業をはじめるということ 43歳
- 海外を中心に仕事をするということ 44歳
PROFILEを見ると「えっ」と思うこともありますよね。
たとえば「霞が関で仕事をしていたの!?」とか。
こうして見ると、本当に幅広いジャンルに渡って活動をしていることが分かります。メディアを横断するというのは、まさにこの人のためにある言葉なのだと思います。
構成は、質問に対して高城剛さんが回答するというものになっています。「白本」「黒本」のような読者による質問ではなく、あくまで自問自答とに近い形です。
それでは気になった質問を見ていきましょう。
Q2 どちらにお住まいですか?
常に移動して暮らしています。カッコよく言えばポジティブな住所不定か旅人。一般的に言えば、ただの住所不定です。
タイトルを見て、多くの人が最初に疑問に思うのがコレです。ちなみに住所不定といっても、ベースキャンプはあると書いてあります。そのベースキャンプも、ロンドン、バルセロナと年ごとに変わっているようです。
Q3 なぜ、定住しないのですか?
フランスの才人、ジャック・アタリは、今後地球人は動けない定住者と非定住者に大きく分かれていくだろうと言っています。彼は、21世紀型の非定住貴族のことを「ハイパーノマド」と呼んでいます。
定住しない理由には、「あらゆる危機やピンチに備えるため」と答えています。
調べてみると、ジャック・アタリさんはフランスの経済学者、思想家、作家とあります(Wikipediaより)。
Q4 お仕事は、なんですか?
会社を世界のいくつかの国で経営しています。そこで映像を作ったり、音楽を作ったり、原稿を書いたりしていましたが、40歳を機に、映像や音楽、文章は本当に好きな仕事だけにして、メインは環境観光業に大きくシフトしました。ホテルを作ったり、循環農業システムを作ったり、風力発電所を作ったりしています。
高城剛さんを知る上で、またよく分からないのが「仕事」ですよね。とにかく多岐にわたる活動をしています。ちなみに芸能ニュースでは「無職」になっていると皮肉っていました(笑)
Q10 クリエイションは、どのように生まれるとお考えですか?
あたらしいエネルギーを持った表現をするには、自分自身が変わることしかありません。考え方も生き方も住む場所さえも、なにも恐れずに変わることが、唯一の確実な方法だと思います。
一部のみ引用していますが、今後の成長を考えている方にとって、Q10は大きな参考になるはずです。
続くQ11ではこのようにも述べています。
半年でも休んで、違う街で違う仕事をすれば、その後20年の人生は変わると思います。
まさに彼が歩いてきた道のりだと感じます。
Q19 アイデアはどうやったら出るのですか?
ずっと言っていますが、アイデアと移動距離は比例します。日常から離れれば離れるだけ、俗と欲がなくなり、自身が活性化し、アイデアが湧き出ます。すなわち、本当は持っている素晴らしいアイデアを邪魔しているのは、俗と欲なのです。
高城剛さんといえば「アイデアと移動距離は比例する」ですよね。僕もとても影響を受けています。
Q31 情報はどうやって、整理していますか?
一般的な現代の考えと逆かもしれませんが、情報をあまり入れません。過去10年でCO2以上に地球に増大したのは、いわゆる「情報」と呼ばれるものです。人の情報処理能力は、それほど変わっていないのに、情報は100倍になりました。どうでもいい情報と呼ばれるものがほとんどだと思いますが。
最近、「情報収集の方法」はさまざまな場所で見かけるようになりました。それほど多くの人が、どのように情報を処理するかを悩んでいるのでしょう。
高城剛さんは情報ダイエット」を提唱しています。その方法とは、テレビ、インターネット、携帯のどれかを止めることとあります。僕はテレビとスマホは距離を置いています(インターネットは触っていますが)。
Q54 働かないと、どう良くなるのでしょうか?
これもずっと言っていることですが、人の能力には当たり前ですが限界があり、「インプットとアウトプットは比例する」のです。間違いなく、いまアウトプットしすぎて疲弊していると思います。国家も個人も。
必要なのは、インプットです。それは情報を意味しません。むしろ情報はダイエットが必要なくらいです。
前の問いで「いかに働かないかを真剣に考えるべき時代」と答えています。その流れで、今はインプットが必要であると答えました。そのインプットとは「勉強」です。
Q70 もっとも影響を受けたカルチャーはなんですか?
60年代のカウンターカルチャーの影響は強く受けていると思います。体制に対して戦うのではなく、飄々とすり抜けていくっていう姿勢。カテゴライズされない物が好きだし、自分自身もカテゴライズされたくない。
だからこそ写真、文筆業、監督などさまざまな顔があるのだと思います。僕も彼の生き方に学びたいです。
Q99 仕事に欠かせないものはなんですか?
コンピュータ。
コンピュータは、MacとWindowsを1台ずつ持っています。15インチのMac Book Proを仕事ではメインに使っていますが、Windowsベースの人も大勢いるので、必ず両方持ち歩くか、パラレルというソフトでWindowsをMac上で使います。グラフィックや建築デザイン、写真の現像、DJ、映像編集、音楽制作、すべて自分のコンピュータで僕は行います。
もちろんこれは、本書が発行された当時のものです。現在はMacBook(12インチ)というのを読んだことがあります。
Q125 なぜ、そんなにあちこちの国に行くのですか?
この星のまだ見ぬ素晴らしい場所に、ひとつでも多く行きたいと思っているだけ。
カッコ良いですよね。これはシビレます。
Q138 移動する生活のコツのようなものはありますか?
アイデア力を上げるには、ひたすら移動すればいいのですが、移動力を上げるには、とにかくコンパクトに暮らすことです。
高城剛さんに影響を受けた人は、間違いなくミニマルな生活になります。ご多分に漏れず僕もそうです(笑)
今日のまとめ
「高城剛さんて誰?」と思っている人が最初に読むのにふさわしい一冊です。こうして記事を書くために、改めて読み返しましたが、やっぱりスゴいなと思います。年齢を照らし合わせながら、自分を奮い立たせるのでした。